人生の転機に使えるナンシー・K・シュロスバーグのキャリア理論(1929‐)

キャリア理論

ナンシー・K・シュロスバーグはアメリカのメリーランド大学カウンセリング心理学名誉教授で、1999年には全米キャリア開発協会の会長を務めた人物です。

『転機』に対する理論家として有名なシュロスバーグは、人生は様々な転機の連続であり、転機に対する対処方法について述べています。

特に今年は新型コロナウイルス影響により緊急事態宣言が発令され、休業要請や内定取消など、それこそ人生の転機に直面している方もいるかと思います。

では転機の対処法で有名なシュロスバーグの理論について見ていきましょう。

転機とは?

シュロスバーグは転機を次の2つに分類しています。

①イベント:ある出来事が起こること。予期していた事や、予期していなかった事が起こることも含みます。

(予期していた出来事の例)

  • 学校を卒業する
  • 就職する
  • 結婚する
  • 出産する など

(予期していなかった出来事の例)

  • 事故にあう
  • 病気になる
  • 失業する など

②ノンイベント:予期していたことが起こらないこと。

(例えば)

  • 学校を卒業したが就職できない
  • 結婚すると思っていたが結婚していない
  • 期待どおりに昇進しない
  • こどもを授からない など

シュロスバーグは予期していたことが起こらなかったことも転機のひとつとして捉えており、出来事の有無に関わらず、その人の人生に変化をもたらせばそれは転機としています。

また、転機には次の4つのうち1つ以上の変化を伴うものだとしています。

①役割・・・・人生の役割が変化する。

②関係性・・・大切な人との関係性が変化する。

③日常生活・・日々の行動が変化する。

④自分自身・・自分の物事に対する考え方が変化する。

転機によって様々な影響を受け、これらの変化を伴いますが、生きている以上、転機を避けることはできません。

転機によるマイナスの影響を最小限に抑え、論理的に上手に対処することが大切だと述べています。

では、どのように転機に対して対処すればよいのかを見ていきましょう。

人生の転機を評価する

転機といっても、人生の岐路といえる大きな出来事の時もあれば、それほど大きくない場合など、様々です。

就職、結婚、転勤、また事故や病気などに直面した際に、自分にとってどれくらいの影響が生じる出来事なのかを評価します。

【評価の4つの視点】

①転機の深刻さ・・・役割、関係性、日常生活はどの程度、変化を伴うのか。

②タイミング・・・・転機の起きたタイミングは良いか、悪いか。

③コントロール・・・自分の力で転機をコントロールできるものか。

④持続性・・・・・・転機によって生じた状況は永続的か、一時的か。

これら4つの視点によって転機そのものを評価します。

次に自分自身がその転機をどのように捉えているかを考えます。

【本人の対処】

①転機そのものを、肯定的にとらえるか、否定的にとらえるか。

②転機そのものを自分自身がコントロールしようとしているか、あきらめているか。

③対処のスキルとして、ストレス解消の仕方や、行動する力があるか。

④過去に転機をうまく対処した経験を積んでいるか。

これらの4つにより、本人が転機に対してどう捉えているかを客観的に考えてみます。

実際に大きな出来事に直面すると、冷静に考えることが難しい場面も多いかもしれませんが、これらは転機を乗り切るための心構えのようにも感じます。

では次に転機の乗り切り方について見ていきましょう。

転機の乗り切り方

シュロスバーグは転機に直面した際の乗り切り方として、自分自身の内的資源を点検し、受け止めつつ戦略的に対処できるように体系化しています。

内的資源の点検(4Sモデル)

①状況:situation

  • この状況は予期されていたか。
  • 状況をプラスと捉えるか、マイナスと捉えるか。
  • タイミングは良かったか、悪かったか。
  • 一時的なものか、永続的なものか。

②自己:self

  • 自分の人生に対する見通しはあるか
  • 変化に対して立ち向かえるか、圧倒されるほうか。
  • 変化をコントロールできると思うか。
  • 自分のスキル、これまでの経験は何か。
  • 他の仕事の可能性を探ることは可能か。

③支援:support

  • 必要とする援助を他人、友人、家族から得られるか。
  • 励まして応援してくれる人がいるか。
  • 仕事の情報、雇用に関する情報などを収集できるか。
  • 経済的な支援など実質的な援助を望めるか。

④戦略:strategies

  • 状況、自己、支援を把握し、様々な戦略を使えるか。
  • 転機の持つ意味をプラスに捉えるように試みる。
  • 積極的にストレスの処理を行っているか。
  • 目の前の課題に対して臨機応変に戦略を変えることができるか。

これらの内的資源を確認し、変化を受け止めながら、自分に合う具体的な行動計画をたてて、主体的に処理していくことが大切です。

まとめ

シュロスバーグの理論について簡単に述べましたが、ポイントをまとめます。

【転機を評価する】

深刻さ、タイミング、コントロール、いつまで続くのか。これらを評価します。

自分自身ができるだけ転機をプラスになるように捉え、行動してみようと思うことが大事です。

【内的資源(4S)を点検】

状況、自己、支援、戦略の4つの資源を点検し、戦略を立てて行動に移す。

実際、今回の新型コロナウイルスの影響などにより、内定が取り消されたり、失業することになったり、人生の転機に直面されている方も多いと思います。

理論をうまく自分自身の現状に当てはめて考えることは、少し落ち着いてからでないと難しいかもしれませんが、少し落ち着いたときに、この理論を参考にしてもらえればと思います。

また、このような人的支援こそがキャリアカウンセラーであるキャリアコンサルタントの仕事かも知れませんね。

明けない夜はありません。頑張って乗り切りましょう ^^)

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